片道GOで24時間2200円で借りたハイエース
大学同期とずっと「ハイエース運転したいな」という話をしていて、トヨタの片道GOというサービスでどうやらハイエースが放出されることがあるようなので、これを狙ってみようということになった。
商用車に憧れる大学生たち(?)
なんで商用車なのかって、まあそれは関越とか中央道で追い越し車線をカッ飛んでいくハイエースやプロサクを見たら誰だって乗ってみたくなる、といった類のやつで、フェラーリだのランボだの、そういうギラついたやつじゃなくてもっとこう、モブキャラとか、普段は冴えない残念なやつが主役級の奴をぶっ飛ばしていくみたいな、そういう下剋上的な展開が良いというやつに似ているかもしれない。
ハイエース好きとかいいつつグレードとオプション多すぎて全く理解してないにわかだったが少しくらいは分かった気がする(好き≠詳しい)
— 一般男性 (@age20_horihori) 2020年2月2日
今回は2Lガソリンエンジンの6AT。往路は5ドアモデルで、復路は4ドア。
東名で御前崎へ
灯台とツーショット。完全に商談しに来た事業者になりきった。
メインはこれ。この復路はだいぶ前から目星をつけていたけど、前日になって東京から静岡行きのハイエースも出たので、期せずして往復ともにハイエースで行くということになった。
静岡駅新幹線口でハイエースを乗り継ぐことになって、隣のカウンター同士で手続きしてたら、「あれ?また戻られるんですか?今回はお仕事…ではないんですか?」と訝しがられた。「はい、遊びでハイエース借りとります。」
こんな使い方する人多分いないと思うので、当然と言えば当然ではある。
貨物車だけど一応乗り心地は全然気にならない
そもそも商用車(貨物車)なので、乗り心地云々について評するのはお門違い感があるが、個人的にはあまり期待していなかっただけにトヨタの普通車とあまり変わらないなという印象を受けた。
小型車よりサイズがでかい分路面状況の影響を受けにくいし、シートもがっちりしたもので薄っぺらくて乗りづらい軽トラ・軽バンみたいな印象が払しょくされてかなり良かった。もちろん2列目以降のベンチシートは座面がビニルだし人権は無い。運転席と助手席(あるいはその間の座席を含めた3人)だけが人権を獲得している。
前後でサスの硬さが全然違う
ただバンピーな路面を走るとだいぶクルマの挙動が普通車とは異なってくる。多分これは荷室に荷物を載せて走るのを前提にしているからだと思うけれども、今回のように空荷で走ると前後の重量配分がめちゃくちゃなので、後ろがかなり跳ねることになる。
荷物を積んだ時に沈みこまないことと、前方とのバランスをとるためにこういうセッティングなんだという風には容易に理解できるが、トラックを運転している気分になってくる。さすがその辺は貨物車だ。
少し前にカムロード(ダイナベースのキャンピングカー)を運転したことがあったけど、あれは満遍なく物が乗っかってるので、トラックベースとはいえあまりトラック感は無かった。
ブレーキの遊びが大きい割に効きが鋭すぎる
特に1人で運転しているときに顕著だったのが、ブレーキ操作。これも荷物を満載した時をベースに作られているんだろうけど、ブレーキの遊びは他のトヨタ車とあまり変わらない印象なんだけど、空荷時の遊びが終わった後の効きがとにかく調整しづらい。
ちょっと踏み込むと一気にブレーキがかかるので、ガクガクしてしまう。裸足で運転してたのにこれなので、どうしようもないんだと思うけど、都内でストップアンドゴーが多い環境ではまだ良いとしても、これはどうにかならんもんかなあという感じでした。
アクセル開度の調整が難しい
ブレーキと同様で、気を付けていないと一気に吹き上がってしまうんで、まあこれも荷重時を想定したことだと思うけど、ハイエース乗ってる人が運転荒いのはこのせいでもある気がする。荷重時にいちいち奥まで踏み込まないと走らないようじゃ運転してて神経使うからね。
よって燃費が悪い
燃費が悪くなる理由はいくつかあるけど、その一つにはアクセル開度調整の問題があって、それは前述したとおり。あとは変速のプログラムの問題がある気がしてて、普通車だと加速時には割と低回転域(2000回転強くらい)でシフトアップするけど、ハイエースはとにかく高回転域まで回ってしまう。
ギア比の設定も正直イマイチなんじゃないかと思っていて、今回は6ATを借りたんだけれども、中央道の一宮御坂からの山登りを運転していて、5速だと100kmで巡行するのが精いっぱいだった。追い越し車線に出て120~130kmまで加速するには4速4000回転~5000回転で回さないと加速してくれない、しかも巡行してる最中に少しでも踏み込むと勝手にシフトダウンしてとにかく回したがる。キックダウン動作をしなくても頑張ってくれるという意味では良いとは思うけど、しょっちゅう4速と5速を行ったり来たりしてたので、燃費は当然悪いし、心理的にも落ち着かないんだよね。
ちなみに6速は下りで飛ばすとき以外ほぼ使いませんでした。カタログ値では10.4km/Lだったけど、実際9.5km/Lくらい。
エンジンが非力?
あれ空荷と貨物積んだとき全然感覚違うけど貨物目一杯積んで2Lガソリンだと非力な気がする
— 一般男性 (@age20_horihori) 2020年2月2日
高速道路での巡行性に疑問符だったので、貨物積載時の挙動が気になるところ。いっぱいに積んだら間違いなく追い越し車線には出れないので、あのカッ飛んでいくハイエースは回送・一人乗車であることは間違いない。
車中泊するにはとにかく良い
そろそろネガキャンばっかりしていて申し訳なくなってるのでポジキャン。
この通り荷室はバカでかいので、マットレス適当に敷いて寝袋で寝れば居住性は本当に完璧。
ただ真冬の車中泊は底冷えするのである程度の覚悟は必要だし、いろいろな環境が許すのであればエンジン回しっぱなしにしてエアコン入れ続けても良いくらいかなと思う。断熱効果とかほぼ考えられてないから、エアコンつけていても荷室後方までは暖気は届かない。シガーソケットしかないから電源も採れないしね。またネガキャンになっちゃった。
スピーカーが思ったよりも良い
長距離ドライブするとなると音響設備は結構重要かなと思っている派なので、「どうせペラッペラのうっすい幕貼ってるだけでしょ」って思ってたスピーカーから低音が響いてきたときはかなりナメてたなと反省した。ロードノイズが激しいので結構音量はでかくしないと聞こえないけど実用的ではあった。
取り回しが良い
普通車と比べるとかなり車体がでかいので、狭隘道路とかバックとか面倒くさそうだなと思っていたけど、実際そんなことはなかった。三井のリパークみたいなコインパにも普通に止められるし、カーブ曲がるときに内輪差がちょっとデカめかな、と思ったくらい。ただ最小回転半径は大きめなので、バックで切っても曲がらない感じはあった。普通に運転してるときは全く問題ない。
強いて言うならステアリングの応答がちょっと遅めかなっていうことくらい。前輪が座面の真下なので、普通車の感覚で運転すると当然コーナー進入時の切り始めが若干遅れる。早めのハンドル操作に慣れてしまえばなんということはないが、切り増ししたり最初はちょっと違和感はあった。ただ自分は運転席が前にあるほうがカーブを曲がるときに車線いっぱいまで幅を使えるので何となく安心して運転できる(ような気がする)。
これだけ大きい車を違和感なく操作できるというのはアドバンテージだよね。
まとめ
乗ってて楽しい車だったけど挙動はイマイチ。アクセルオンオフとブレーキの挙動がもっと感覚的に近くなってほしいなあと思いました。
ちなみに次はプロサクADバンで車中泊したいと思ってる。