サンダル紀行

オタクがサンダルで家を出た結果。有象無象の記事をぼちぼち書いていく(2019/10/14-)

【完全無計画】週末弾丸ベトナム紀行【旅行記】(5)Day3 古都フエをチャリで激走

明朝6時起床。フロントが開いておらずチェックアウトできなかったのでドミ内を駆けずり回って(とはいってもすごい小さい3階建てのドミだけど)オーナーを探して、寝ているオーナーを叩き起こし玄関を開けてもらう。早歩きでダナン駅へ。f:id:series189:20191024195243j:image
昨日ダナン駅に到着した時に、翌6時43分発のハノイ行きのSE22列車の指定席を予約したんだけど、間に合わないと3時間後にしか電車が来ないので、このSE22列車をなんとしてでも捕まえておきたかった。
6時半に駅についてみると45分遅れで運行していると液晶モニタに掲示があって、「なんだよ急いで損したなあ」と言う感じ。ちなみに駅構内のチケット売り場はまだ開いておらず、前日に乗車券を購入しておいてよかったなと思った。駅にはWifiも通じているのでTwitterを眺めたりしながら改札待ち。45分遅れという情報もどこまで信用できるかわからなかったので。f:id:series189:20191024195336j:image
SE22列車はこの列車はサイゴンを前日の11時40分に出発して、丸一日かけて終着フエまで向かう。なんか日本の「昭和の写真集」みたいなやつで見た風景が思い出されるのはこういう長距離列車がいろんな人々を運んでるところなんだろうなと思う。事実大量の荷物を抱えた人々がダナンで下車しているし、駅員の数も多い。「動きのある人々の居る風景」というのがつまるところ前時代的な風景ということなのかもしれないなあ、とか考えていた気がする。1時間遅れでダナン駅を出た。f:id:series189:20191024195417j:image
フエまでの運賃は7万数千ドン。日本円換算で350円とかそれくらい。連結しているのは2段寝台、3段寝台、座席車で、今回は座席車を選択。フエまでは3時間半も乗ってこの値段だから、だいぶ安い。というか日本が高すぎるだけなのかもしれない。山を越え、谷を越え、河を超え、建築限界ぎりぎりの線路を北に向かってひた走る。こんなところに線路敷く?みたいな山深いところに線路があって、乗っててすごく楽しかった。大石昌良の「ようこそジャパリパークへ」とか聞いてた。f:id:series189:20191024195504j:imagef:id:series189:20191024195529j:image
海外の鉄道によくある対面式の座席配置の客車で、割り当てられた座席が進行方向と逆向きだったので、座席を指定する時は8の倍数(海側)でかつ数の大きい座席(サイゴン側)を選ぶのが良さそう。自分の座席は22番で山側の座席。f:id:series189:20191024195625j:image
フエに着いた!

例のごとく駅前でバイタクの男に捕まる。もうこういうのも慣れっこなんで、この日はフエの王宮を皮切りに世界遺産の各遺跡群をチャリで回る予定にしてるんだということを歩きながら伝えて、それでもしつこく追ってくる人だけを相手にしようと考えていた。レンタルバイクをしきりに勧めてくるが、レンタサイクルで十分だということは地形的にも分かっていたことだし、どうもダウンタウンまで行けば3万ドンで1日レンタサイクルが借りられるそうなので、3万ドンは絶対に譲るつもりはなかった。

市内まで送り迎えつきで7万ドンで貸してやるよ、というバイクの男が現れたので
「本当に7万ドンで貸すんだな?」
「貸す貸す!(貸すとは言ってない)」
「じゃ考えてやるよ」
ってことでバイクに乗って市内へ。まあ500mくらい走ったところで案の定「70万ドンで貸すよ」とか言い出したので降ろしてもらった。まあ想定内。

ダウンタウンに向かってまたしばらく歩いてると、バイクの客待ちの男から声を掛けられ、執拗にレンタルバイクの提案を受ける。だからレンタサイクルだっつってんだろ...というと一転して今度はレンタサイクルを貸すと言ってくる。後で分かったことだけれどもこの人はレンタサイクル・レンタルバイク商だった。最初は1時間3万ドン(19時まで借りる予定だったので24万ドン)で提案されたのだが、紆余曲折があり1日4万ドンで貸してくれることになった。中心部までの足も確保できて一石二鳥。
借りる際に身分証とかカードを置いてけと言われたので、JMBのWAONカードを置いていった(完全に舐めてる)。無事レンタサイクルを手に入れた後は近くのベトナム料理店でフォーを食ってからフエの王宮へ。
バス15円、フォー100円、みたいな感覚なのにこういうグローバルな観光地は価格めちゃくちゃで、入場料で7~800円取られたりしてなんだこれ、となってしまう。

フエの王宮は紫禁城をモデルに縮小して作られたというだけあって地図上で見るとそっくりで、フランス統治時代の華美な装飾と相まって中国文化ともまた違った趣がある。でもほとんど中国。

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かなり保存状態良かったので行って正解。

次、チャリをかっ飛ばしてトゥドゥック帝廟へ。
事前情報ではベトナム市内は普通に平坦とか書いてたのでまあ楽だろうとたかをくくってたが案外坂道が多くて大変だった。しかも交通量がバカ多いので轢かれないように注意してると本当につかれる。というか止まっているより動いてる方がむしろ安全だし、一度動き出したら止まらない方が相手も次の挙動を予想しやすくて勝手に避けて行ってくれるし、その辺りは日本の感覚とは大きくずれているところ。これはジャカルタに行った時も実感したことで、これで東京に戻ってくると日本人は赤信号でもちゃんと止まってるし、なんという真面目な国...となるのはうなずける話だと思うんだよな。f:id:series189:20191101122626j:imageGoogleMapで最短ルートを検索したからか生活道を指示され、山を越え谷を越え無事到着。ここは外観見ただけでスルー。まあ入っても良かったけどあまりベトナム史について詳しくないので。

ひとしきり休憩してからこれまた世界遺産のカイディン帝廟へ。

カイディン帝廟とは川を挟んで向かい側にミンマン帝廟があって、
・トゥドゥック
・カイディン
・ミンマン
この3つを巡るツアーっていうのがメジャーな感じ。ただ地形的な問題があって今回はミンマン帝廟に関してはパス。カイディンに直行。f:id:series189:20191101124444j:image
ちなみにGoogleMapで検索して出てくる徒歩ルートをたどるとやばいオフロードを通ることになるので道はちゃんと調べた方が良いと思う。森林の中で立ち往生したり泥沼が現れたりしてカオスだったし、野良犬が追いかけてきたりして本当に怖かった。噛まれたら死なので。フォン川の脇の側道に出た時はようやくまともな道になった...とほっと一息ついた(当然後ろから爆音のクラクションを鳴らされる)。f:id:series189:20191101124302j:image
山の中に突然現れた巨大な帝廟には心底驚いた。まあ当時住民からバカみたいに税金絞って立てたんだから迫力があるのは当然だが、本人がこのやたらジャラジャラした装飾を自ら設計したというから、いかにもありそうな拝金主義的な話だよなと思ってしまう。f:id:series189:20191101124350j:image好きか嫌いかで言ったら好きだけど、それは立地とか外観全体を見て言っているのであって、個々の建築物を見てもあまり美しいとは思わなかった。日本人的な簡素さの文化の中で生きているからかもしれない。日の丸の国旗なんかその最たる例だよね。
f:id:series189:20191101124331j:imageとても眺めが良いのでひとしきりここで休んでからチャリで市内まで戻る。日暮れまでに帰らないと夕ラッシュに巻き込まれて事故りそうだなと思っていたが、交通量自体は終業と同時(17時頃)に一気に増えだすので、日は暮れずとも結局渋滞には巻き込まれた。まあでも不思議と事故は一件も見てなくて、信号無視はするわ車線は守らないわで交通ルールなんてなかったけど、流れに沿って流れてればむしろ安全だし、郷に入っては郷に従えってことで、意気揚々と道のど真ん中をチャリで爆走してたりした。慣れって恐ろしい。下り坂なんかはむしろチャリの方が速かったりするので、バイク乗ってもチャリ乗っても一緒かなと思う。
f:id:series189:20191101124414j:image無事チャリを返しフォーを食って早めに空港へ。食堂からレストランまでいろんなところでフォーを食ったが、おおむね値段に比例しておいしいフォーが出てくる印象。大衆食堂が一番現地のスタンダードな味だとはおもうけれども、日本食はたとえ吉野家だろうが日高屋だろうが、どこに行っても洗練されすぎているので、普段からそういう環境に居る身としては、別に安くてよれっよれの麺を毎日食うこともないだろう、とは思ったりする。現地の文化や食、人に触れるというのは大きな目的の一つだけど、「それで暮らさなくて良い」というのが旅行のまたいいところだろうね。
ちなみにフエの空港まではバスで直行。

ordinaryman.hatenablog.jp

次稿、最終日サイゴンへ。鉄板のメコンデルタツアーに申し込んである。
おしまい。