サンダル紀行

オタクがサンダルで家を出た結果。有象無象の記事をぼちぼち書いていく(2019/10/14-)

卒業試験の総括

もくじ

 

Twitter休止中の事情について

2020年7月はじめから、およそ4か月弱にわたってTwitterの閲覧を休止していた。大学6年間の低空飛行のツケで相当切羽詰まっていたので、入学以来初めてTwitterYoutube・ソシャゲ類をアンインストールして、あまり脇目を振らずに*1学業*2に注力していた。

突如TLから姿を消したので方々からLINE*3に生存確認が来て、この時はちょっとうれしかった。諸事情で2年前の秋にもTLから失踪したことがあったので、それも手伝っていた気がするが、今回も、ターニングポイントを迎えているということをお伝えして、各所から応援も頂いて、踏ん切りがついた。

この紀行は趣味のことだけ書いていくチャンネルにしようと思っていたけれども、学生生活最後に良い思い出が出来たので、自身の後学の為にも記録しておくことにした。

なおこの記事に関する質問事項はコメントぶら下げるかここ*4まで。この後はローカルな話題が続くので、ここでブラウザバックするか、あとがきや、Q&Aや雑談の頁まで飛ばし読みするのが吉。それと、記事の転載やリンクの配布は自由にしてもらって構わない。

 

卒業試験の総括

朝から晩まで電気がついている勉強部屋や、上級生からの引継ぎ資料(勉強の仕方、出題内容、対策等)のことを参照するうちに、自分の6年間の蓄積の無さ*5も相まって、卒試が「とてつもなくヤバいもの」である気分がしてきて、さすがにマズいんじゃね?と思うようになった。

 

でも結論から言うと、卒試は「ぼく(ら)*6のかんがえたさいきょうのしけん」でしかなくて、6年間の知識の集積度合を試す意味での「総括」の機能はそれほど高くない、言い換えれば、これまでの各進級試験・診療科別試験の「寄せ集め」という意味での「総括」の意味合いの方がしっくりくるな、というのが実感としてある。

よくある漠然とした不安、今回なら、「卒試はムズい」みたいな定性的な評価は、たいてい、不透明な先行きから醸成されるものなので、この場合であれば、卒試にはどのような対策内容が必要で、その結果どのような成績であったのかという量的な部分をある程度客観的な指標によって把握できるようにすることで解消できるはずであると考えた。しかしなかなかそのような文献にはあたらなかった*7ので、3ヶ月前の「あったらいいな」を本稿で取り扱うことにする。

 

ぼくのかんがえたさいきょうのたいさく

■まず卒試対策に必要な武器

  • 卒試過去問各科3年分(マルチメディア室で印刷 or iPad等にpdfをDLする)
  • Qassist サブプリント(Qassistの講義を購入すると付属している。優秀)
  • 友人
  • イヤーノート(辞書。一定レベルに体系化された知識がすぐ検索でき、ネット上の誤った情報や陳腐化したゴミ、ノイズを回避できる。通読することや、青・黒文字暗記の必要は無い
  • ポリクリで入手できる問題群(プレテストやポストテストが一種のプール問題になっている科目が多数ある)

よく言われるようなグループの過去問や、最新回数別国試問題集、標準外科学の巻末問題集、朝倉内科、ハリソン、他有象無象の資料は必要ない*8

卒試は「合格か不合格」のフラグでしかないので、「平均点レベルを取った」とか、「成績がどれくらい良かったor悪かった」とか、そういった定量的な評価には意味がない。「合格できたのか、できなかったのか」「卒業できたのか、できなかったのか」にしか本質的な意味がない。したがって、合格できるかどうか以外を議論することは正直言ってナンセンス*9であるし、 "良い成績" を収めようとしてあれもこれもと教材・情報に手を出すこともナンセンスである*10

 

■その他有用であるかもしれない武器

  • Anki(アプリ。PC版は無料。単語帳を統計的に管理してくれる優れもの。暗記作業の効率化)
  • 最新国試過去問(姑息的対策である)
  • 最新Group過去問(姑息的対策である)

繰り返しになるが、上述の各対策資料を用いても、合否には影響しない。

 

■8月初頭までに到達すべき目標

  • 各疾患に特徴的な疫学・原因・症状・検査・治療・合併症をそらんじることができる
  • 各診療科領域の解剖生理をそらんじることができる
  • 自分の暗記力とペースを把握していること

 

これらはQassistのサブプリント及びMedu4のテキストの穴埋めを利用することによって容易に達成できる。レビューブックを穴埋めする形式でも良いし、手段は何でも良い。クエスチョンバンクを処理することによっても達成することができる。

要点は、「理解している」ないしは「選択肢を見れば正答できる」ことではなく、「脈絡のない質問に対してある程度自分で筋書きできるかどうか」という点である。参考書を読んでいるだけだとなかなかアウトプットの機会に恵まれず、インプットの機会ばかりが増えて能力への過信を増長させる。

「鉄欠乏性貧血は女性に多く消化管の潰瘍や妊娠にともなう出血等によって鉄が不足しふらふらしたりスプーンネイル匙状爪Plummer-Vinson症候群とかなってMCV80未満で小球性貧血で鉄・フェリチンともに低下する。鉄剤経口投与で改善。」のように一連の流れを人の力を借りずにスムーズに暗唱できることが目標になる。「スムーズに」をもっと具体的に示すと「30秒以内に思い出すことができ淀みなく陳述できる」。成績が良い人たちを観察していると、知識が湧き出てくる感じだけど、成績不良の自分は説明しようとしても、「…あれ、なんだっけ」状態であった。これが7月初頭。

国試の問題を解いていると明らかに違う選択肢が多すぎて、適当に勉強していても「なんとなくわかる」レベルで解けてしまうことが多い。確かに国家試験の合格にあたってはそれで十分であろうと推察されるが、「国試半年前の9~10月に」「選択肢吟味に正確な知識が要求される卒試で」安定して卒業試験の合格基準を達成するためには、ある程度の負荷をかけながら勉強する必要がある。案外このレベルに到達することが難しい。

 

この何だっけ状態でフリーズしてしまう状況を脱却し、上述のレベルを達成したのは各科順次7月初頭~8月中旬にかけてで、卒試のスケジュールを考えると相当攻めた計画になった。ただ結果論にはなるが、そらんじることができるようになった後も、記憶を一定のレベルにとどめておくためにはメンテナンスが必要になる*11ので、知識を運用可能なある一定のレベルまで持っていくのは、早かろうが遅かろうが実はあまり関係がなくて、量的な情報が良く分からない*12まま「卒試=ヤバい」という感覚や、「お前はヤバい*13」という主観的な評価だけが先行していたのは精神衛生上あまり良いことではなかった。

尤も人に焦らされることでだいぶ楽に卒試を乗り切ることができた節はあるが、あくまで卒試は通過点に過ぎないということも忘れてはならない。友人らも卒試中盤からグダり出したのを見て、ヤバかったのは俺の進捗ではなく、「良く分からない卒試像」であったと認識を修正した。

というか、そもそも、仮に4月頃にそれを達成できていたとして、その後忘れないための維持コストがかかるので、以降3ヶ月以上にわたって維持し続けることはこれまで学問に対して真摯でなかった人々にとっては土台無理であるし、それができていたら今頃苦労することもこんな記事を書いていることもない。みんな安心して欲しい。

 

■8月中旬(卒試①7日前)までに到達すべき目標

  • 卒試①~④の1~2年分が終了していること

 

この時点で必ずしも3年分が終了している必要は無い。また⑤以降の卒試を解く必要は無い。1か月後には卒試の出題内容は確実に忘れているからである(繰り返しになるが、卒試に出題されるような、限定的でローカルな知識を1カ月も覚えていられるようであればそもそも次元が違っているので、卒業に関して心配していること自体が間違っている。そしてその心配は全くもって無意味である)。

自分の周囲では早いと7月上旬頃からぼちぼち卒試対策が開始されていたが、無用に焦る必要は無い。焦るとすれば卒試対策ではなく、むしろ国試レベルの対策である。卒試対策は8月からで十分間に合う上に、大切なのは結局のところ長いスパンで見て役に立つ「基礎・基本」である。某進予備校のCMで基礎の基礎が怖いということを今日何度も言っておられた古文の荻野先生が思い出される。基礎が完成していることのメリットは計り知れない。「卒試は国試対策では乗り切れない」のは事実であるが、「国試対策なしに卒試は乗り切れない」のも事実である。

なお、1〜2年分が「終了していること」の意味は後述のとおりである。

 

■卒試①7日前〜前日までに到達すべき目標

  • 卒試①の各設問で頻出の解剖・生理を暗記していること
  • 卒試①の各設問の解説内容を暗記し、関連する知識を把握していること
  • 卒試①の各設問の外れ選択肢の知識を暗記していること
  • 卒試①に関するポリクリのプレ・ポストテストを解いて暗記していること

上述の通り、対策のコアは過去問である。各内容についてそらんじることができることが重要である。また、この期間に複数の友人と周辺知識およびその蓄積レベルを共有し、反復する。これが非常に重要である。

具体的には、ポイツジェガース症候群やクロンカイトカナダ病が頻出であることを確認したり、逆流性食道炎のロサンゼルス分類をなんとなく把握していたり、食道内視鏡切除の適応は、友人は拡大適応まで暗記していることを確認することである。明らかに合格しそうな友人はどの程度で理解を深めているのかを知り、追いついていない知識を埋め合わせしてもらうのが目的である。自分で勉強するよりも、優れた友人*14から教えられる知識の方が、体系的かつミニマムであることが多い。

ここで、ピロリ菌除菌後も発がんの可能性はなくならず、定期的な内視鏡検査が必要であることや、バレット食道はインジゴカルミンで染色することを知らなければ、卒試一問一答ノートを作成し、素早く簡単に反復できるようにしておく。人から聞いた知識やその場で納得した知識は案外脆いものであるから、少なくとも自分が凡人であることを認識しているならば、メモは作成しておくべきである。そして後で確実に目を通すメソッドを自分で確立しておくべきである。そのメソッドについては後述するH氏方式、いわゆる「黒塗りの教科書」が一例である。

これらの対話の過程で、グループ試験の情報や、最新国試の過去問まで手が回っている優秀な友人がトピックに触れてくれることがある。そのような機会に遭遇すれば逃さずキャッチし、ノートに掻き込んで反復する。

 

個人的にはH君の採用していた「黒塗り教科書」*15は大変に有用であった。以下は卒試の解説・選択肢吟味の過程で抽出された要素を一問一答化してノート作成し、それをipadで撮影したのち下線部を黒塗りにしたもので、これを毎日反復することで"カルチベート"していた。

特に臨床問題では症例を理解する手間が省けるので、大幅な復習時間の短縮につながる。過去問を周回するよりも、1周だけ十分に時間をかけて吟味を行い、信頼できるノートを作成して、思考過程を極力排除し、単純作業による反復によって暗記を行うという効率化を図ることによって、短時間で試験問題に習熟することを実現した。

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卒試後半からは部屋員からの希望もあり、電子媒体化(pdf化)して配布することになった*16

 

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たまに卒業試験の解説内容と市販のyear note等の書籍に主張の食い違いや誤りを発見してしまうことがある。そのような場合には必ず卒業試験の解説を参照し、市販の書籍に記載の内容は無視する。卒業試験は憲法であり、絶対に間違うことのない神々の思し召しだからである。

例年試験後に問題提起がなされなかった場合、誤った問題と解答がその後延々出題され続ける例もあり、悪質な場合、疑義を跳ねのけた非合理な正答が押し通される例もある。

 

■以降、各卒試前までに到達すべき目標

  • 卒業試験に頻出の解剖・生理を把握していること
  • 卒業試験の解説内容を暗記し、関連する知識を把握していること
  • 卒業試験の外れ選択肢の知識を暗記していること
  • ポリクリのプレ・ポストテストを解いて暗記していること

あとは卒試①に準じたルーチンを毎週ごとに繰り返す。記憶の定着レベルはおおよそ3段階に分けられると考えている。

  1. 自発的に、体系的に、そらんじることができる(暗記している)レベル
  2. 人から聞いたらわかる(リプできる)レベル
  3. 選択肢で並べられたらなんとなく誤答を切れる(把握している)レベル

それ以外を知識として扱うのには無理があると思っている(意思決定のために運用できないゴミには機能性がない)。すなわち、

  1. 2,3の選択肢でガチャ(分かってない)のレベル
  2. 日本語として認識できない(何も分かってない)

これらのレベルにおいては知識がない、もしくは機能していないことから、早急に介入が必要である。

辞書的には上段の3段階(ないしは後段の1. を含めた4段階)くらいをまとめて「記憶」とか「暗記」と定義できるであろうが、試験で運用できるレベルは上段の3段階であることは確実で、対策した結果として意味を成すのは上段の2段階くらいだろうと考えている。自分は中途半端な人間なので、意識して努力しないと上段の③のレベルまでしか到達できない。

 

各科目の講評

とはいえ、計画というものはえてして達成されないことの方が多く、実際その通り(一部計画倒れ)になったので、実現したかった理想と現実の乖離、あるいは卒試の実際について書いていく。

■卒試①
何がどうヤバいのかも分からずひたすら毎日ヤバいと連呼しながら過ごしていた。7日前までにすでに3年分を消化済み、①対策に絞ったのは7日前から。8日前は全く関係ない小児科の卒試を解いていた(今考えると完全に無駄である)。実際平均点も高めだが、この時期はマッチングとかぶってて意外と出来ない人もいる様子。画像問題対策が結構重要なので、クエバンの画像や、過去問の画像を見て慣れておく必要がある。同期のY山君がだいたい教えてくれたので、平均点丁度の8割弱獲得。本当にありがとうございました。


・消化器
過去問3年分で十分であるが、食道がん胃がん内視鏡の拡大適応とかもイヤーノートで学習。平均点もボーダーもそこそこ高いので、人が突っ込んで勉強している箇所はよく教えてもらって、レベルを合わせておく。同期に一番助けられたのはこの回。
・上部
 ポリクリのプレ・ポストテストを追加で学習する。
・下部
 ガチャ。ポリクリのプレ・ポストテストを追加で学習する。必修講義で強調している内容はほとんど出なかった。意味が分からない。国試レベルの知識で突入。
・肝胆膵
 過去問を5年分見ると満点近くとれるという前評判だったので、実際5年分を消化したが、3年分で十分であると思われる。令和2年度は過去問通りではなかった。意味が分からない。国試レベルの知識で突入。
・低侵襲
 令和元年から新導入の科目。初年度は試験問題も超低侵襲だった揺り戻しで、令和2年度は超高侵襲であった。誰も出来ず、診療科に難しすぎるの出すなというお触れが行ったらしい(知らんけど)。
・乳腺
 過去問3年分のみで突破。副作用や薬剤は突っ込んでみておくと保険にはなる気がする。

 

■卒試②

三度の飯より過去問精査。なんとなく受かったような感触を得つつ自己採点はせずにひたすら勉強した。ここまでが本気モードの回。平均点を数点上回ったと記憶している。

・精神科
 3年分の過去問の精査。薬剤や統合失調症うつ病については国試レベルは隅々まで網羅しておく。
神経内科
 3年分の過去問の精査。必修講義のスライドから多数の出題があるので、赤字をチェックする。ミトコンドリア脳筋症を勉強してそれがそのまま出た時には内心ウマかった。問題がやさしめなので、国試レベルの知識’(解剖生理、基礎基本)を充実する方が得点につながると思われる。
・脳外科
 3年分の過去問の精査。国試の脳神経領域を勉強する過程である程度戦える実力が出来上がってくる。
・リハビリ
 3年分の過去問の精査。直前の国試の過去問を精査(回数別クエバン等)。

 

■卒試③

山場であるが、卒試①の合格が発表となり、割とグダる。そこそこ勉強したが、平均点も低いのであまり合否には関係ない。自己採で平均点に収束。

・循環器
 3年分の過去問の精査。聞いたこともない分類問題やガイドライン参照せよ問題は本番は捨て問ではあるが、既出内容は確認しておいた方が良い。HFpEF/HFrEFについては循環器内科志望の同期のM君が解説講義を担当。分かりやすすぎて良かったけど当日は間違えた。多少間違えても受かる。
・呼吸器
 3年分の過去問の精査。国試前後レベルが多い。いわゆる名物婆さんが難しい以外はそこまで細かな知識は聞かれない印象。前年の国試の確認は必須。COPDの栄養管理はほぼそのまま出た。
・心外
 むずい。3年分の過去問の精査。
・呼外
 3年分の過去問の精査。肺がんや気胸は内科と被るので対策は立てやすいが、令和2年度はむずかった記憶がある。

 

■卒試④

③直後にバーベキューに行き、そのまま3日経過。結局臨床検査や麻酔科の対策が追い付かず麻酔科は52%だった。最高にグダり果てた1回。
・血液
 ポリクリでもらう例の一問一答集に載っていない知識はない、というくらい出題範囲が決まっている。要は暗記、過去問精査。JAK2関連疾患は必ず出る。あとはやるだけ。良心的の極み。得意不得意分かれるという人もいるが、やっただけ伸びる科目だと思う。自己採点88%で合格。
・臨床検査
 対策方法が良く分からず過去問3年分精査で乗り切った。FriedWardの式だけはしっかり覚えた。実力勝負になる気がするのでこの科目は個人的には運が無かったら落ちていたかもしれない。自己採73%。
・腫瘍内科
 令和元年度は3/10で合格しているという情報がある。つまり難しい。抗癌剤の系列、作用する周期、副作用等の過去問でよく出る分野は精査が必要。自己採5割丁度。
・病理
 臨検とともに実力勝負の分野なので対策が難しい。過去問通りの出題を落とさないように3年分の精査が必要。婦人科腫瘍は全部できなかった。当日はカンで点数を積み増しして自己採75%。病歴から判断する病歴ゲーとの評判で名高く「もはや病理ではない」。
・麻酔・ペイン
 ポリクリのプレテスト・ポストテスト、国試対策で可。グダりすぎて対策が間に合わなかったことと、過去問2年分しかできなかったことが祟り52%。危なかった。試験中見たことあっても切れない選択肢が多く悶々とした。
・緩和
 過去問の精査。モルヒネの副作用、ラダー、便秘に耐性が付きにくいので投与中はずっと緩下剤投与が必要なことを暗記する。

 

■卒試⑤(不合格)(皮膚科・眼科単科落ち)
 ・覚えること多すぎ

    ・❶〜❹終わってモチベが無になった

2週間の休みをほぼ丸々休み不合格となった。いざ落ちてみると結構ダメージは喰らった。ただこうなることは薄々感じていたし、自分の性格的に、ある程度安定した下地(余裕)があると絶対に頑張れない*17ということも分かっていた。メジャー分の蓄積があることや前半傾斜配点の噂もあり、前半のマージンで逃げ切れるでしょ、いや、むしろ稼いだマージンは消化してなんぼでしょ、とか合理化してしまう安易な自分も居た。

⑤は短期間でバランス良く消化できるかを問う試験構成になっていると思われる。 @LiuYuyang216 が「皿回ししてるだけやん」と言ってたやつの最たる例であって、対策にかける時間配分をミスったことが不合格の大きな原因だと考えている。終始うだつが上がらず、対策も場当たり的になった(こうなってはいけない)。ある程度は我慢して2週間ある中休み期間のうちから学習を進めておくと後々助かると思う。でも生まれ変わってもう一度卒試を受けるとして、中休み中に勉強するかと言われたら絶対にやらないと思う。笑

・皮膚(40%)(単科落ち)
 必修講義で重要なところ言ってくれる+試験1週間前にのマナバで大事なところを配信してくれる。その辺を重点的に勉強すれば良いらしいけど、イマイチよく分からなかった。基礎基本、国試対策はあまり意味がなかったような気はするが、合格に必要な最低限の要素は詰まっているので、やはり基礎固めが大事なのではないかと思う。アレルギーや薬疹の所はイヤーノートの項も役に立つらしいが、使ってないから分からない。単科落ちは2名、うち1人が自分で、もう1人よりも出来が悪いことが判明しているので、見事令和二年度皮膚科最劣等賞受賞。

関係ないけど、優秀の対義語って劣等であってるのかしら。

・眼科
 55%。単科落ち。過去問+サブプリント。2日で仕上げたので雑魚。多分ちゃんとやれば合格ラインのっかる。

・耳鼻科 80%
 過去問+サブプリント。余裕。
・整形 50%
 勉強しておくべき疾患リストが1週間前くらいに配られる。それを勉強する。国試対策の範囲で正解を導ける場合がある。他の選択肢は消せないことが多い。普通に難しい。例年再試者はいないのでできなくても多分受かる仕様になっていると思う。
・形成外科 70%
 過去問+ポリクリのプレテストのまとめ。全部そこから出てるけど、令和2年度はまあまあ変えてきてヘイトを買っていた。こういう科目に限ってロクなことがない。

 

卒試⑥
 初の試みとして過去問を2年分だけ消化。理論分野が多いので過去問を2年消化にとどめることとした…というのは建前で、単純に対策が面倒だっただけ。2年分で合格できるのか、を試したかったという向きもある*18武装内容は過去問2年+Qassistサブプリント。7・6日前を丸々遊びに使った挙句5日前も疲労でほぼ勉強せず、可処分時間は正味4日間。サブプリントは実質的には1周とかそこらで、疾患は絞って対策。これだと3回に1回くらいはコケそうなハリボテレベル。総合66.33%で合格。腎臓内科の夏前の対策が若干活きていた気がする。


・腎内 72.5%
 過去問の類題が多い。M4のグループ試験が役に立つとか立たないような話だったのでちらっと見てた。実際数問出たけど合否には影響していない。
・泌尿器 60%
 わくわくさんの必修講義からかなり出る。選択肢のいくつかは必修講義で切れる。この科も整形と同じで、明らかに違うところを抑えられると大コケはしない。過去問の精査が甘く前半の一般問題でコケたが後半の臨床問題でガチャを当てなんとか通過。単科落ちは2人なので50%台でも受かっているはず。
・糖内 67.5%
 糖尿病ばっか出る。甲状腺も好き。出る疾患だけ勉強する。
膠原病 65.0%
 難しすぎてハゲた。必修講義を見た方が良いという学派はあったが、結局夏に見たきり活用せず。IL阻害薬とかCTLA4の仕組みなどは長期記憶で役に立った。細かくて地道な過去問対策が有効。

 

■卒試⑦
 過去問+サブプリント。卒試開始前もしくは④後2週間休みに対策が進んでいるとかなり楽ができるので、夏休み前半は⑧の内容は詰めておいて損は無い。卒試に珍しく国試準拠で個人的にはかなり対策しやすかった。
・小児 64.29%
 例年過去問ゲーだったが、近年は教授退官に伴い傾向変化。⑦に限らず新任・退官はよく確認しておいた方が良く、無駄な過去問対策を避けられる(退官した人の問題はもう出ないが、「診療科のストック」として出題されている問題は作問者が退官しても出るので注意)。内分泌のO教授と先天性心疾患のK先生は激ムズなので捨てても良い。年度によって難易度に大きくばらつきがあり荒ぶっている。当日はみんなほぼ出来ないと思って差し支えないだろう。
・小児外科 67.8%
 例年運転免許試験レベルの簡単さであるため令和元年度は16問中3問間違いで再試だったっぽいが、令和二年度で難化で全員おこ。対策?知らね
産婦人科 75.0%
 ほぼ全て国試レベルを超えない。サブプリント周回が肝。分量が多く、だるいが、得点源。

 

■卒試⑧
 モチベがゴミ。要は公衆衛生。この1週間でmedu4/Qassistのビデオ講座一周、QB一周、サブプリント周回等なんらかの国試対策は消化するべき*19。単科不合格。まあ残当
・総合診療 65.00%
  過去問。感染症分野は予防接種や感染症の分類(マーくらえペニス+ポジティブな鳥サマ+赤いパチ〇コ等)、直ちにor7日以内になど絞って暗記。
・救急 68.57%
 過去問。
放射線 40.00%
 過去問のみ。ポリクリのプレポストテストやった方がいい説があったが面倒くさくなりざっと目を通しただけでやらなかった。本番中も選択肢ガチャ。単科落ちと思ったがまさかの合格。問題がう〇こ
・衛生 50.00%
 過去問。
・公衆衛生 54.50% (単科落ち)
 ほぼ過去問通りだったので過去問中心に対策し撃沈。少し掘り下げる必要があるので国試対策はこの1週間で完成させておいて良いだろう。

 

その他、よくありそうなQ&A 雑談等

■卒試対策に3年分の過去問は必要か?

ところで、3年前の卒試を消化する必要性については引き続き検討の余地が残っている。いや、余地というか、そもそも論で、過去問が有用であるなら、2年間を消化した時点で概ね3年前の内容をカバーできているはずであるし、過去問が有用でなければ3年目を消化する意味は薄いので、普通に2年消化で十分なはずなんだろうけど、実際に3年分解かないで2年分だけにするというリスクを積極的に負うのは明らかに得策ではないでしょ、という反論が予想されるのはわかりみを超えてこれ*20感が深い。まあわかるが。

実際問題どうだったかというと、卒業試験④(血液内科・腫瘍内科・臨床検査・麻酔科・病理・緩和医療)などは結構グダって対策が追い付かなかったこともあり、麻酔科・臨床検査医学は2年分の対策にとどめているが、ちゃんと合格した(定量的な議論をするのはナンセンスだが、平均点で合格)。また友人らでも2年分のみの対策例があることから、「3年やらないやつはアホ」と断言するのは早計ではないかと思われる。したがって引き続き議論の余地は十分に存在している。

※10/25 13:19 追記 同期のN氏から、以下の内容を頂いた。

俺も後半は過去問2年派だったから後輩に引き継ごうかと思ってた

過去問3年はマストという風潮がある中で、実は案外過去問2年派は居るのかもしれない。

※10/26 00:24 追記 部屋のブレーンのH氏から、以下のような感想を頂いた。

medu4全部穴埋めにして覚えたあとに過去問2年分に書いてある内容を覚えれば落ちない、気はするけど俺はそもそも1年くらいうっすらとUSMLEの勉強をしていたからその恩恵も若干ある

あくまで過去問は「慣れ」の意味がデカいとも言っていたのを思い出す。国試レベルの基礎力が完成していれば特別な対策をせずとも合格が可能である点が証明されている。

当然ながら、「国試レベルを超える問題で、3年前以前に過去問に出ていた問題を落としたとしても、基礎力によってそれらの失点を最小限に抑えることができる」という前提が要求される点で、成績下位層が「2年のみ対策」を実践することを推奨するものではない。

 

■勉強部屋に行く意味?

卒試前にドラゴン桜(ドラマが個人的には好きだけどマンガでも良い)を見直した方が良い。ドラゴン桜でグループ学習を組むメリット(スクラム勉強法)が紹介されていたけど、例えば各々範囲を決めて、出題内容で常識を超える範囲を簡単に総括して持ち寄って、それをベースに簡単に対策をする、というのはかなりコスパの良い方法であると思う。自分でググるより人に聞いた方が早いのは事実だし、体系的で卒試・国試レベルに最適化された知識を仕入れることができるので、時間効率を上げるために人を頼るという選択肢はとても合理的であると思われる。

 

■卒試対策にはどれくらいの時間が必要か?

卒試前半戦と後半戦で必要時間は大きく異なる。これは平均点と標準偏差が大きく異なる(一般的に後半の平均点は前半と同じかそれより低く、標準偏差は大きくなる)ことや、試験の難易度が後半になるにつれて易化すること、あるいは卒試の科目構成の特性が変化してくることによる。特に卒試①②に以下の内容を適用することはできず、③に関しても①②程ではないにせよ(③は高得点勝負ではないので)、以下を指標とするのは不適当であると思われる。したがって、以下の内容は卒試④以降に関して適用されるものとする。

 

6日以上→全ての試験で平均点レベルに到達するのに必要。毎日定期的に長時間のYouTube視聴があっても、その他グダっても余裕。

5日→確実に合格ラインになるために必要。一般的な学生たちが合格に必要と考えるノルマをやり切るのに必要な時間がちょうどこれくらい。1日の睡眠時間は6-7時間確保できる上、YouTubeをしばしば視聴することも可能。

4日→実質的なデッドライン。4日で過去問3年分もしくは3年弱+周辺知識のインプットが可能。やりようと試験内容によっては落ちる場合があると思われる。それまでの基礎知識の蓄積があれば幾分楽。

3日→合格するかどうかがガチャになってくるのがこの辺。前夜徹夜は必至で、3日間トータルの睡眠時間を10時間前後として詰め込めると平均点-1SD程度で合格可能。卒試前半①〜④に対しては既に手遅れである可能性がある。

2日以降→未試行。情報求む。

10/24 22:08 追記 同期のK氏から、以下のような感想を頂いた。

過去問に関しては行けるが、周囲(過去問以外の対策)が足りなくなるためわりとしっかり間に合わなくて落ちる模様、特に公衆衛生

成績下位層ではなくとも2日の対策が綱渡り的であることが示唆される。推奨できないのは自明である。

 

■卒試は茶番なのか?

「喉元過ぎれば熱さ忘れる」っていう格言があるよね、好きなんだけれども、だいたいこれ。

前評判とは裏腹に試験を受けてみていざ拍子抜けしたというのが感想で、3~4週目くらいからは折角アンインストールしたYoutubeのアプリを再インストールしたし、削っていた睡眠時間も復活して1日10時間弱は寝るようになった。過去問3年分とレビューブックを携えて、勉強部屋に''通う''だけで十分合格することが分かって、特に焦ることもなくなったし、グダった。後から思えばお祭りみたいなモンだったけど、後出しジャンケンはいつだってよくないので、つらつらと官軍ぶったコメントをこれ以上書き連ねるのはやめておく*21

人伝には卒試は茶番だというTweetが炎上したと聞いた*22けど、実際5年間も放蕩を続けた奴が危なげなく合格できてしまう*23重大なホールがあって、こうやって対策が体系化できて、逆にこれが茶番でなくて何なのかというお気持ち*24。おそらく心のどこかでみんな茶番だと思っている。地道に努力出来た奴が笑うっていう暗記ゲーの最も良い部分が実感できて、むしろ良心的であるとすら感じてきた*25。当局は内容の薄っすい体験談とかメンタル論*26とか学生に配布してないで定量的な分析を公表したらどうだろうか*27

 

■模試に関して

テコム模試
全4回。父母会から受験料が下りている。テコ1・テコ2の成績は不問で良い。難易度はテコ3は国試本番レベル、テコ4はアドバンスドで回数毎に難易度を上げながら関連問題が出題される。国試直前1月のテコ4の成績は国試の成績と相関するらしく一般臨床の偏差値39以上が目標。

 

メック模試
夏と冬の2回あって受けるか受けないかは自由。夏が6200くらい、冬が7800人くらい受けている。(テコ3 5800、テコ4 7800) 
難易度高めらしい。問題自体は直近の過去問からほどよくインスパイアされてて質ははいいし、解説も直前期にちょうどいい量なので余裕有れば受けていいとのこと

 

MM模試 
113回対策では直前期に難易度高過ぎる問題出して不評だったらしい。114回対策の受験者は1800人くらいだそう。過去問の改題がメインで簡単めだけど良問が多かったらしい。しかも本番と同じくらいの難易度だったらしいが他方によれば115回対策では難易度が乖離していてゴミだったとの情報あり

 

■6年生4月からの対策に対する反省

今年は例の如く3月から自宅待機で、なんとなく国試対策しとくか~的なノリでクエスチョンバンクをちまちま解いていくスタイルで勉強を開始した。この頃は知識と呼べる知識はほぼ皆無で、まず解説を理解するので苦労するし(日本語なのに日本語が読めない)、1日に60~80問程度をこなすので手いっぱいだった。正直暗記はだるいし、事あるごとにSNS*28に逃げて紀行文を投稿する懐古厨と化していた。Twitterは早急に麻薬指定を受けるべきである。

無料時代のQassistを全部見ていたこともあって、映像講義は見ていなかったけど、この時期に映像を一気見して基礎をやり直した方が良かったかもしれない。これまで暗記という暗記から逃げていたので、何となくわかっているような気がしていて、全然分かっていなかったのに後から気づいて割と萎えた。選択肢に頼って合ってた間違ってたを繰り返しているとあとで痛い目を見るけど、まあ別にこの時期の勉強法をガタガタ言ったところでぶっちゃけ関係ない。

なお4~7月初頭にかけてクエスチョンバンクのおよそ7000題弱(1週目・2週目問題ともに)をこなしたが、一切復習しなかったために初頭のものはすでにそのほとんどが記憶から抹消されており、意味をなさなかった。これは暗記に対する認識の甘さと過信によるもので、気づいたのは7月初頭の第1回TECOM模試の自己採点(7月6日)時である。この晩は相当焦って、親に「ワンチャン卒業できないかもしれないなあ」と連絡した。なお、7月初頭模試は学内105位で、全国偏差値は44であった(学内偏差値は40丁度)。

そしてこの後、学習方法について再検討し、Qassistの講義の見直し・サブプリントの周回に奔走することになる。「講義は3月までに既に見終えている」ということが大前提の風潮がある中で、4か月遅れの再履修を進めながら「卒試解くってレベルじゃねーぞ、オイ!」つってた*29。今ならPS2が欲しかった彼*30の気持ちも分かるような気がする*31

ただ、卒試・国試対策は言語の学習に似ているところがあるような気がしていて、それまでのクエスチョンバンクの履修は全く意味のなかったものではなく、それまで各進級試験を短期記憶で誤魔化して通過してきてしまったことで、全く養われなかった基礎(英語で言えばアルファベットや日常英会話の習熟)を埋めるものであったと考えれば、7月以降の対策にも少なからず貢献した可能性がある。したがって、4月から7月まで学習を一切怠り、2か月弱で卒試を乗り切ろうとしたとして、同じように通過できたかどうかは、甚だ疑問である。もちろん4月から7月までの内容が薄いものであったことは明白である。

 

■うわっ…お前の文章、長すぎ…?!

ヤバさ極まってる奴は短かろうが長かろうが何でも読む。情報は多ければ多いほど、冗長であれば冗長であるほど良い、というのはメンタルが追い込まれたことのある人ならなんとなくわかるはず。この情報誌をここまで読みきれなかった奴は多分卒試は余裕なので、読む必要も無いと思われる。ヤバみを感じた人の需要に耐えることが、本稿の目標の一つでもある。

 

■情報古くてあてにならないんですが...

※2021年12月29日追記

2021年度を後輩のM氏が更新してくれました。

・各科目の講評
 
卒試①(総合落ち5名)
ちょいちょい英語問題が出てくるが、卒試の中でも英語出題は全体的には珍しい方なので卒試全体で英語問題がみられるとは思わなくて良い。
・消化器内科(単科落ち1名)
今年度は過去問が非常に効いたため、卒試最初の科目で高得点が期待できる手応えがあり拍子抜けた。愛校心が一瞬湧いたが、残りの科目でそれがぶち壊された。内山先生の必修講義でE型肝炎についてかなり突っ込んで説明していたため覚えていたものの、結局出題されず。
・乳腺外科(単科落ち9名)
ベースは過去問だが、周辺知識もおさえておかないと解けない仕様だった。所属していた勉強部屋ではみんなでイヤーノートの内容を把握していたため単科落ちは居なかったが、学年全体でみると単科落ちが多かった。
・上部(単科落ち2名)
激ムズ。必修講義は国試の解説がメインで卒試には繋がらない。
・下部(単科落ち4名)
こっちはTMK先生の必修講義が効くから視聴した方が良い。
・肝胆膵(単科落ち3名)
上部、下部に比べると問題は易しいが、上部、下部で体力・気力を持っていかれた後で解くことになるためやたら難しく感じる。
・低侵襲(単科落ち3名)
「低侵襲は高侵襲」というネタがあるが、人によっては高侵襲を通り越して過侵襲。令和3年度は卒試①前日に作問者の折田先生が、自身が担任をしていたポリクリ班員を集めてクルズスをしていた。そのときの内容を同級生から共有してもらったが、サラッとしか確認しなかったため、問題を解けるまで到達できなかった。
 
卒試②(総合落ち3名)
卒試①と比べたら負荷は低く感じる人が多いのではないだろうか。しかし卒試もはじまったばかり、周囲のモチベーションはまだ高いので油断せずに準備することを勧める。
・精神医学(単科落ち0名)
良心のかたまり。K藤先生は神。O田先生の過去問解説は常用漢字ではない難しい漢字を混ぜて書いてくるが漢字は調べて解説はしっかり読み込むこと。問うている内容は毎回大して変わらない。
・神経学(単科落ち2名)
割と難しい。たまに膠原病や泌尿器の知識も織り交ぜてくる。過去問の解説が長い問題もあるが、挫折せずにしっかりと読み込んで必要な知識は覚えよう。
脳神経外科(単科落ち3名)
標準脳外科学の巻末問題から出題されることもあった。
・リハビリ科(単科落ち2名)
令和3年度は整形外科の知識があると楽に闘えたのだろう。可能であれば卒試の準備をはじめる前に整形外科の国試対策もある程度進めておくと楽。
 
卒試③(総合落ち2名)
VV-ECMOとVA-ECMOの違いは確実におさえよう。
・循環器内科(単科落ち8名)
覚えることが多い。心筋バイアビリティなど聴き慣れない用語もあるが、頻出のものはググるなりして把握しよう。
・心臓血管外科(単科落ち6名)
難しいが、過去問以外に特に有用と思える教材も思い浮かばない。
・呼吸器内科(単科落ち4名)
令和3年度は過去問の精査に加えて、COVID-19診療の手引きも読んだ。
・呼吸器外科(単科落ち5名)
令和3年度に傾向がやや変わった印象を受けた。
 
卒試④(総合落ち4名)
卒試③が山場と言われることが多いが、実は卒試④も普通にえぐい。
・血液学(単科落ち2名)
令和2年度まではポリクリで配布されていたプレテストの徹底暗記で乗り切れる科目だった。しかし教授退官もあってか、プレテストは配布されなくなり、先輩からもらったプレテストを徹底暗記しても効かない問題があった。例年60%で切られていたが、難しかったためか令和3年度は50%でも単科落ちしなかった。
・臨床検査(単科落ち5名)
必修講義の序盤で、国試の計算問題リストが提示される。演習のためにこのリストにある問題はやっておくと良いと思う。
・腫瘍内科(単科落ち5名)
ガチ難。物腰柔らかいK藤教授の雰囲気からは想像できないくらいの難問が出題される。早いうちに薬物の命名法を過去問に載っている範囲で良いから覚えると後が楽。
・病理(単科落ち8名)
令和3年度は易化傾向と思われる。血液学の学習時に骨髄標本も併せて学習しよう。
・麻酔・ペイン(単科落ち2名)
ポリクリで配布されたプレテスト、ポストテストは必ず学習しよう。
・緩和(単科落ち0名)
過去問と必修講義が全て。必修講義の視聴は絶対にすること。シシリー・ソンダースが大好き。試験当日の昼休みにシシリー・ソンダースのwikipediaを読んだが、ここまではしなくて良さそう。自身が建てた病院で亡くなるって何かロマンを感じるね(いらない知識)。
 
中休み
卒試前半お疲れ様でした。前半1週間で卒試⑥、⑦を先に1年分で良いから見ておくと後々楽になる。ちなみに筆者は⑦は最後まで見られなかった。
 
卒試⑤(総合落ち3名)
分量がえぐい。
・皮膚科(単科落ち3名)
全問、ソンシが作問する。ソンシの必修講義は視聴を勧める。令和2年度までは試験前にマナバ配信があったそうだが、令和3年度は無かった。
・整形外科(単科落ち1名)
令和3年度から学生担当が代わり、前年まで配布されていた疾患リストが無くなった。しかし、過去問ゲーと化し易化した。
・形成外科(単科落ち3名)
H先生の問題が難しい。口唇裂、口蓋裂は頻出。
・眼科(単科落ち9名)
臨床問題が難しい。例年60%で切られており、単科落ちが多い。
耳鼻咽喉科(単科落ち1名)
こちらも臨床問題が難しかった。
 
卒試⑥(総合落ち6名)
必修講義に関して、泌尿器以外は卒試に直結しない印象。
・腎臓内科(単科落ち6名)
必修講義でも序盤に言われた通り、卒試対策はグループの復習が効く。自分が受講したグループ講義の資料集を参照すると、確かに卒試で出題されている内容が記載されている。他の科目に余裕があればサラッと目を通しても損はしない。
・泌尿器(単科落ち5名)
必修講義で扱った内容が卒試で数問出題された。
代謝内分泌学(単科落ち4名)
G藤先生の問題が難しい。これを捨てても合格点に達すると思われる。
膠原病内科(単科落ち2名)
令和3年度から学生担当が変わった。必修講義で詳しく説明された疾患にヤマを張ったものの出題されなかった。
 
卒試⑦(総合落ち4名)
国試レベルの知識が備わっていれば特に産科は楽。夏までに国試レベルは到達しておくことが望ましいと考える。
・小児科(単科落ち8名)
出題者によって問題の難易度差が激しい。O日方先生とK代先生は難しいと定評があるが、特にK代先生がやばい。O日方先生はまだ過去問の知識が通用することもある。残念なことに令和3年度にK代先生の出題数が増えた(しかも臨床問題で)。
産婦人科(単科落ち5名)
産科は国試レベルの知識があればそれなりに闘える。婦人科の悪性腫瘍は試験直前にステージングとそれぞれのステージごとの治療対応を復習することを勧める。
・小児外科(単科落ち2名)
令和2年度に学生担当がS田先生に代わって、難化傾向にある。必修講義は視聴すること。
 
卒試⑧(総合落ち3名)
「流しでやるもの」と周りが口を揃える割に平均点が高い。卒業判定に関係ないとの噂があるが(令和3年度は真実だった)、そんなこと関係なく周りの点数は高い。何故だ。
・総合診療科(単科落ち7名)
森先生の必修講義は視聴した方が良い。抗菌薬に関する知識は必修講義で述べていた内容が卒試で出題された。
・救急診療科(単科落ち3名)
試験直前に勉強すべきポイントが学生間で流れた。筆者は経緯を知らないが、部屋員とその内容は確認した。実際にポイントに挙がっていた疾患は出題された。
放射線科(単科落ち1名)
ムズい。令和3年度はやや放射線診断学っぽい色が強くなった印象。
・衛生学(単科落ち3名)
例年、合格ボーダーが高かったが、令和3年度は50%で通った。
・公衆衛生学(単科落ち8名)
過去問で出てきた知識は迷わずアウトプットできるようにしよう。
・法医学(単科落ち6名)
ムズい。例年、1問でも正解すれば通ると言われていたが、令和3年度は1問正解では単科落ちとなった。

 

あったらいいな(あとがき)

これは昔から事あるごとに主張していることだが、数ある教育目標のなかでも「情報弱者の救済」は果たされることが少ない目標の一つであると思っている。えてして「情報弱者は自助努力の欠如(例えば不真面目だから成績が悪いとか)が原因である」という事実*32から、無視されることが多いと思う。冷たく言えば、まあ、自業自得ではある。

少しこの指摘とはずれるが、かの著名な師も、

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というように主張し、確かにこれは正論である。

ただこれらは同時に、教育者たりながら零れ落ちる人材を放置することで、自ら積極的に社会に対して損失をもたらしているということも肯定しうるものであろうかと思われる*33。これを拾い上げることまでが教育者の責務の範囲であると捉えるか、そうでないと捉えるかは完全に各人の趣味にゆだねられているわけであるが、数多くの友人ら、後輩ら、師らは前者の人であって、自身の試験勉強を支援してくれたことは万謝に値する*34。このような人々と交流することができ、今後も交流してゆくであろう予感が、大学生活で得た最も有意義な思い出であり、代え難い資産であると、ひしひしと実感する次第である。みんなありがとう。

*1:割と脇目を振っていたとも言う、後述

*2:卒業試験対策

*3:生活に根付いているLINEは、消去するとさすがに支障をきたすので、しばらく1日の閲覧回数を自主規制するにとどめた

*4: series181@gmail.com

*5:学内席次は基本3桁台、モットーは「本試は模試で、再試が本試」

*6:教員ら

*7:そんなローカルな情報を期待する方が悪い

*8:直前の後輩のグループの試験からそのまま出たりすることも確かにあるにはあるが、それによる失点の影響は微々たるもので、合否には直結しない

*9:学問的に真摯に取り組んできた者以外に対しては

*10:そんなに勉強したいならもっと早くから対策すべし

*11:界隈ではこの行為を"カルチベートする"、それによって瞬時に引き出せる様になった知識たちを"カルチベートされた知識"と呼んでいた

*12:ただの情弱

*13:どこがどうヤバいかという指摘はあまりされていない

*14:特に自分の周囲には学問に真摯な友人が多く、卒試に必要な知識の8割は友人から教わったと言って差し支えない。各位感謝してもしきれない

*15:勝手にH氏方式と呼んでいたが、教祖はO女史であるらしく、O氏方式ないしはO女史方式と呼称する方がより正確であるかもしれない

*16:手書きだと字が汚すぎて読めないとの指摘があった

*17:追い込まれないと集中出来ない

*18:卒試①②③あたりでこれをやるとハイリスクなのでやめた方が良い

*19:だるすぎて未消化

*20:f:id:series189:20200925002434j:image

*21:受かった"あっち側の"奴が教える内容には責任が伴ってない、所詮他人の人生だから、自分のケツは自分で拭けるようになるしかないし、120%の誠意をもって伝えたとしても、誠実さを満足することはできない、それくらい意思決定には重みがあると思っている

*22:TL追ってないので真偽不明

*23:2020年10月24日現在卒業判定は未達。留年してたら笑ってくれ→卒業できました

*24:でもよく燃えそうな主張はあえて"人"前で主張したくない、それがかつてのアングラな時代を生き抜いてきた"人"たちの総意ではないか

*25:近年努力しても笑えないことが多すぎた

*26:何回か読み返して文脈からは色々なことが推察されたので役に立たなかったとは言ってない

*27:大学としての最低限の責任範囲は超えているし、情報の非対称性と脅しが実は最大の教育効果であるとしたら、それはある意味恐怖政治じみた、しかし立派な「教育」であるわけで、大変恐れ入る。ワンチャンそうなんじゃないかと思っている節は3ミリくらいはある(ない)。

*28:Twitterやインスタみたいな安易なやつ

*29:メンタル的に非常に厳しいものがあった、ないしは5年間遊び倒したツケは伊達じゃねーぞ、の意

*30:

*31:分からない

*32:確かに多いけど

*33:師の主張への賛否はコンテクストが読めないので遠慮する

*34:各人名前を挙げて感謝申し上げたいが、都合省略する