サンダル紀行

オタクがサンダルで家を出た結果。有象無象の記事をぼちぼち書いていく(2019/10/14-)

【ギリシャ】文字が読めないクレタ島、弾丸日帰り【離島のすすめ】

※読み飛ばせる話題には見出しに「*」をつけています。

 

もくじ

 

クレタ島について

たぶん高校の教科書とかで古代史に一瞬だけ登場する島。ミノア文明の聖地にして、地中海に浮かぶギリシャ最大の島、ギリシャ神話の舞台。

東のイラクリオンが商業、西のハニアが観光の中心。中間にレシムノンという旧市街の街並みが残るまちがある。

とにかくメシはうまいし、景色は良いし、良い思い出以外が無い。日本レベルの食事を海外で手頃にするのは案外難しいことで、この時の周遊でも例外ではなかった(特にパリ)が、クレタ島に来てあまりにもメシがウマすぎて転がった。

「離島が良い」というのは国内でだろうが国外だろうが同じで、コンパクトな箱庭に詰まったいろんな魅力をちまちま発見していく楽しみがある。時には本土では見せない素晴らしい景色や街並みに出会えることがある。

ギリシャはその最たる例で、有名どころだとミコノス島、サントリーニ島なんかは日本発パックツアーもかなり商品化されていたりする。こういうの。

*2日間でギリシャを回る

2019年夏はヨーロッパの主要都市を3週間かけて弾丸周遊したけれども、それでも8か国しか回れなかった。学生だからと言って無限に時間が取れるかと言われたらそうでもないし、しかもまったりしていると案外時間がかかる。

だから結局まったりして沈没したりしているくらいなら、思い切って時間を削ってその分無理して色んな場所で色んな出会いを求めよう、といういつも通りのコンセプトは変わらない。

アテネは1日かける。して、残りをどうするか。

*そもそもギリシャ

海岸の総延長が13000キロを超える一大島国で、世界で11番目に長い(ちなみに日本は3万キロ弱で6位だけど、総面積を考えるとギリシャの方がより"島国"にちかい)。アイデンティティである。

エーゲ海に浮かぶ島々は多々あれども、そのうちどこを選ぶかはかなり難しい。いや、難しいというのは個人的な好みの話で、無難に、冒頭に挙げたミコノス島とかサントリーニ島に行けば良いんだろうけど、それじゃ芸が無さ過ぎるよねという話で。

*往復1万円

思いっきりオンシーズンだったのと、なんとなく離島行くか?というほとんどがノリの決定であったので、当然航空券の価格は既に高騰していた。サントリーニとか、ミコノスみたいな有名リゾートは値が張るし、日本人もいっぱい行っていて情報もゴロゴロ転がってるし、面白みがねえな、ということで、あるいは船でアクセスするという手もたしかにあるけれども、時間がないことも相まって、選択肢からは早々に外れた。

いつも通りSkyscannerを眺めているとクレタ島なら1万円ちょっとで行けることが分かったので即決。

もう少し頭ひねれば良かったが、勢いで決定してしまったことで、後で不都合が生じることになる。何がまずかったのかは後述。

*ロンドンからアテネ入り

前日にこれがあったから、さすがにもうちょっとゆっくりしたいよね(睡眠的な話)、ということもあって、離島行きが決定した。エーゲ航空の夜行はどの便もかなり安めに設定されていて、今回は1.3万円。

  • ロンドン発の行き先で、
  • 宿代を浮かせられる夜行便で、
  • 運賃安い路線

を探した結果アテネ行きが決定。乱暴だけど合理的。旅の行き先はだいたいいつもこんな感じで決まる。

 到着は早朝3時過ぎで、朝まで空港のベンチで睡眠。

*1時間以上遅延しながらクレタ島入り

まあこれは想定内。片道運賃6000円くらい。

蒸し暑い地中海にやってきて、旅をしてる感が出てくる。やはり夏は暑いところ行って思いっきり汗を流すに限る。

さて、前置きもそこそこに、本題に入ろう。

 ギリシャ文字が読めないのでバスに乗れない

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ギリシャ文字かっけえ!とか言ってるのもつかの間、3秒で言語が使えないことに気づく。あれ?イラクリオンて一大観光地じゃなかったっけ、と思ったけれども、実はイラクリオンよりももっと西のレシムノンの方が観光地としてはメジャーで、イラクリオンでは英語表記されているサイネージは意外と少なかった。

英語通じないしどうすんだ?という感じだったけど、なんとなく来たバスに乗ってGooglemapを眺めながら中心部で下車。1.7ユーロくらいだった気がする。

①フランス菓子店がうまい

ギリシャと言えば遺跡、ということで、ミノア文明についてはほとんど知らないけど、クノッソス宮殿に向かう。どうも空港から宮殿に直行してくれないみたいなので、中心部で下車したのはそういうわけである。

バスを降りてすぐ、なにやらとてもいい香りがするので、お店に入る。

 

ここフランス菓子店なんですけど、

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ここで売ってる洋菓子がマジでうまくて、しかもあまりにも安かったので、追加で色々購入。特に、このレモンタルトはここ数年で一番の出来だった。あとイチゴも食ったけどありえんうまかった。当然パンもうまい。

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このお店は日本語読みすると「サヴォイダキス」になるのかな。

ギリシャ文字は字面はなんとなくわかるけど、そこから英語で近いところを探して意味を見出す、という作業が難しいので、結局読めても意味がない。

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日本語でのクレタ島の情報はほとんど手に入らないので、こういうところを見つけられると本当に嬉しくなる。

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一番コスパが良いのはこのバカでかい具沢山ピザ。眼下に広がるエーゲ海を眺めながら遅めの朝飯。うまかった。
是非また立ち寄りたい。

クノッソス宮殿

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サヴォイダキスで買ったパンを貪り食いながら次のバスまで街を散策。日中は15分おきに出発しているようで、利用する欧州人も上々である。東洋人はほとんどいない。

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バスで20分程度、クノッソス行きを終点まで乗ると遺跡に到着。この北側の入り口にフレスコ画の門が堂々と建っている。

ミノス王が強権的だったミノア文明ををモデルにしたこと、くらいしか知らなかったが、残ってる王座とかを見ると往時の繁栄が偲ばれる。4階以上の高層建築があったという説もあったりするが、5000年も前から中央集権制度によって高度な政治機能が完成していたことになる。

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ここにあるものは複製品が多くて、発掘されたものは概ねイラクリオンの中心部にある考古学博物館に収容されている。勉強しないと面白くないと思うので、感覚的な楽しさを求めるならパルテノン神殿登ってどうぞ、って感じ。

③古都レシムノン

片道1.5時間、8.3ユーロ。イラクリオンのバスターミナルを13時半発のレシムノン行きに乗って西を目指す。レシムノン滞在は3時間ほどになるが、折角なので遠出してみることにした。

実はレシムノンから30分のハニアという都市に空港があって、そこからアテネにもさらに安く帰れるのだったが、よく下調べしなかったので1時間ほどロスすることになった。まあこの時点ですでに二度目の訪問を心に決めていたので別に良いんだけれども。

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KTELのバスはここから出る。

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美しいエーゲ海を間近に見ながら西走。途中バスがぶっ壊れて30分ほど道路わきで待機。後続のバスに拾われる。

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リクライニングシートでうとうとしてたら叩き起こされて、途中からレシムノンまでは立って移動することになる。すし詰めのバスで残りの行程を揺られることになった。

 

 ここで降ろされる。小さなバスターミナルになっている。

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特にあてもないので、海岸線を歩きながら城跡を目指す。この辺りは商店もちらほら出ているので、適当に立ち寄って遅めの昼食。

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ギリシャ来たしグリークサラダ行きますか、ということで安易に注文。新鮮で可。

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市街地を抜けると山がちな地形が広がり要塞っぽさが増してくる。ベネチア人が作ったフォルテッツァ城塞はこのクレタ島で最大の城跡。

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この城跡含め、現存する旧市街や港は16世紀ころにベネチア人が作ったものだそう。クレタ島で最も保存状態の良い遺産がここレシムノンに集まっている。

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ギリシャの国旗が建てられている。快晴に良く映えた。

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城跡を降りて旧市街に向かうとほとんど天然に近いビーチがそこら中に広がる。あまり混雑していなくて静かなので、ゆっくりするにはちょうどいいかもしれない。このビーチの裏には狭い路地が張り巡らされていて、飲食店や雑貨屋が所狭しと並ぶ。

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本当はこれもゆっくり見たかったが、ゆっくりしすぎてざっと見て回るほかかったのが心残り。中世ヨーロッパを絵にかいたような街並み、再履修するか~つってた。

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行きと同じくKTELのバスターミナルからイラクリオン行きで戻る。ハニア空港から本土に帰る便を取っていたらもう少し滞在できたので、自分のプランニング能力の無さに辟易しながらバスに乗り込んだ。地図をよく眺めていれば気づけるが、長期旅行になると眺める地図の範囲も広くなってくるので、こういうイージーミスも増える。2度目のクレタ島を計画するなら、今度はハニアから南下して島の南側を攻めたいかなと思っている。

イラクリオンの激ウマ海鮮で優勝

ここ、イタリア料理店なんだけどね。

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値段は多少高めだけどエビを頼んで抜群にウマかった。このあたりは地中海料理のお店がめちゃくちゃ多くて、どこも評価は良かったので、基本的においしいものが出てくるんだと思う。「食のギリシャ」は確かに実感できた。

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このまま空港に向かいアテネ国際空港行きで本土へ着弾。

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個人的な振り返りと反省

クレタ島の主要観光地はハニアイラクリオンではない)

・周遊するならイラクリオンinハニアout もしくは逆のルートを採用するべき

・公共交通機関が思ったより充実しているのと、ギリシャ最大とはいえどもコンパクトなので、バスを駆使すればなんとかなる

 

以上